| 桜の花の咲くころに… 4
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「急性心筋梗塞です。もともと血圧の高い方でしたから、その危険性はあったのですが…」
医師はカルテを忙しくめくりながら、言葉を選ぶ。 「不整脈の合併症を伴っている危険性がありましたため、一時は非常に危険な状態でしたが…」 そこで、一度言葉を切って、こちらを見つめた医師の表情の変化を真澄は見逃さなかった。 「一命は取り留めました。しかし、いずれにしても合併症を併発しますと、一気に死亡率は上がる状態ですので、予断は禁物です」 そう厳しく言って、言葉を結んだ。 真澄は病院に駆けつける途中、浮かんでは消えた、予想していた最悪の事態はどうやら回避できたことを悟ると、どっと体中から汗が吹き出した。 不思議な思いがした。 親だと思ったことなど一度もなかったはずなのに…。そう、あの海に飛び込んだ日以来、親であることの情や温もりなど、そんな種類の感情は求めたことさえもなかったはずなのに…。 何もかも自らの手で奪い去ること…。 それだけが人生の目的であり、同時にこの広い世界で誰にも頼らずたった一人で生きていく手段でもあった。 そして、いまや自分はこの男が最も欲して止まなかった紅天女さえ、この手の中に入れたのだ…。 しかし…。 自分でも思ってもいなかった種類の感情が、心の奥底の知らない隙間から湧きあがってくることに真澄は戸惑いを隠せない。 「速水さんっ…!」 医師の説明を聞いて、冷たい廊下に出た途端、か細いマヤの叫びが真澄の思考を切り裂く。 「それで?か、会長さんはっ…?」 必死でコートの胸元を掴みながら、マヤは真澄を見上げる。 「大丈夫だ…。一時は危なかったようだが、今は心配ない…」 冷たくなっていたマヤのその指先を包み込むようにして、手を取りながら真澄は答える。 「今から病室に様子を見に行く。君は…」 真澄はそこで迷ったようにマヤの顔を覗いた。 恐らく英介の意識はまだ戻っていないだろう。二人で病室に入っていったところで、なんら問題はないのは分かっていたが、真澄はどこか心に引っかかるものがあった。醜い親子のいざこざをマヤに見られるのを恥じていたのかもしれない…。 「…一緒に居ちゃだめですか?あ…、あの、迷惑だったら…、お邪魔だったら、今すぐ帰りますけれど、そうじゃなかったら…、速水さんの側に居たい…」 消え入りそうな小さな声が、俯いた頭の下から聞こえてきた。胸の一番奥のどこかが、じわりと熱くなったのを真澄は感じる。返事の代わりに真澄はマヤのその小さな肩に手をやると、 「行こう…」 そう穏やかに促した。 最近は業務報告も部下にやらせていたため、屋敷に近寄ることも全くなくなり、実にそれは数ヶ月ぶりの対面であった。 体格に変化はないように思われたが、ひどく皮膚がたるみ、そして黄色く濁ったような肌の色だった。 厳格の象徴とされた英介の急激な老いを目の当たりにし、真澄はこの男もついに老いには勝てなかったことを思い知らされる。無機質に鼻腔に差し込まれた管や、腕に刺された点滴の針が余計にそれらを痛々しく見せつけた。 無言でベッドの脇に立ち尽くす真澄を、マヤは少し下がった場所から見つめる。 何を言えばいいのかわからなかった。 何も言わないのがいいのかもしれない…。そうも、思えた。 ただ、一つだけ…、一つだけ、本当によかったと安堵したことは、英介の死が今ではなかったということ。人間の老いも死も決して逃れられるものではないのは、充分に分かっていても、唐突に訪れるそれが、どれほど残された者に、絶えがたいほどの悔恨と苦しみを与えるかをマヤは知っていた…。 今でなくて、良かった…。 まだ、何も許しあっていないままだった、今でなくて…。 「変な気分だな…」 背中にあるマヤの視線を感じているのか、真澄は振り向きもせずにそう呟く。 「この人に対しては、憎しみの感情以外は何一つ持ち合わせていなかったと思っていたのだがな…。こう弱られると、こっちが困る…」 それは、自分の感情の置き場所に困った子どものようでもあり、事実から目をそむけようとする大人のようでもあった。 「…速水さんは、まだ会長さんのこと…、お養父さまのこと、憎んでいるんですか?」 沈黙に耐え切れず、マヤは言葉を発する。その背中に、何かとても大切なことを告げたい一心で…。 「…憎んでいるか…。 よくわからない…。憎んでいたことは確かだし、今でも母親をこの男に奪われた事実は忘れることは出来ない…。ただ、俺個人の感情としては…、今はもう、よくわからない…」 弱弱しくそう答えると、側にあったパイプ椅子を引き寄せ、そこに腰掛けた。マヤは、同じ場所からじっと真澄のその様子を見つめたまま、ゆっくりと言葉を探す。 (どうか、どうか、上手く伝わる言葉が見つかりますように…) 必死で自分にそう願いながら…。 「哀しい出来事も、辛かったことも、起こってしまった事実は絶対に消せないけれど…、けれど…、人間の感情だけは変わっていくものだと思いませんか?」 心電図を映し出す機械の電気音以外は、何もしない静まり返ったその部屋の中で、マヤの声が静かに響く。 「どうしていつまでも、憎んでいると思い込むんですか?どうして、そうやって憎まなければいけない、って自分を追い込むんですか?」 真澄は開いた膝の上で両手を組み、背を屈めた姿勢でそれを聞く。けれども、決してこちらを振り返ることはなく…。 「あたしには分かる…。速水さんの気持ち、分かります…。だって、あたしも母さんをあなたに殺されたと思って、ずっとあなたを憎むように自分を追い込んでいたから…。憎まなければいけないって、思って生きてきたから…」 移り行く季節とともに、人の心は変わっていく。一時の人間の感情に永遠などないのだ。 形を変え、色を変え、そして音を変えていく…。なぜならば、それが生きた人間の証だから…。 マヤの脳裏に必死な表情で、忘れる代わりに思い出にする、と言った紫織の声が響く。 なぜ一人の人間に対する思いを、憎しみだけで縛ることが出来よう。 どうして、いつまでも気持ちや感情だけを沈殿物のように、一所に縛り付けることが出来よう。 「あたしが速水さんのこと、もう恨んでも憎んでもいないのと同じように、速水さんもはやく、その思い込みから自分を解放してあげてください…」 ずっとこちらに背を向けていた真澄の肩が一瞬、小刻みに揺れる。 「あたしは母さんに結局、一度も謝れなかった…。心配ばかりかけて、勝手に家を飛び出して、手紙も書かず、会いにも行かず…、とんでもない親不孝…」 そこまで言うと、マヤは寂しそうに一瞬笑みを浮かべる。それはまるで、笑う以外に方法がないからというような曖昧な笑みで…。 「母さんがあんな風になったの、あれは不運が重なってしまったんだて、あたし、ちゃんと分かってます。速水さんのせいなんかじゃないって、あたし、とっくに分かってます。 けれど、ずっと長い間自分が許せなかった…。ずっと親不孝で、『いつか会える』って先送りにばかりして、何もしなかった自分が許せなかった。 だから、あなたのせいにしてたのかもしれない…」 真澄は頭(こうべ)を垂れると、膝の上に両肘を付き、その手のひらで顔を覆った。マヤはゆっくりと真澄に近づいて行く。 「速水さん…、このままじゃきっと一生後悔しますよ…。お養父さんはまだ生きているんだから、ちゃんと話し合わなきゃ…。ちゃんと許しあわなきゃ…。 あたしには、それが出来なかったから…。速水さんには同じ思い、して欲しくないです…」 そう言って、その背中を包むように抱きしめた。大きな大きな背中を、小さな自分が抱きしめるのはとても不釣合いな気がしたが、それでもそうせずにはいられなかった。 真澄は今、背中で聞いたマヤの言葉、一つ一つが体内に染み渡るのを感じる。そして、自分はとても餓えていたことを知る。 そう、誰かに許されることに…。 「君は俺を許してくれるのか?」 背中に押し当てた耳に、真澄の震える声が体内を通じて、伝わってくる。 マヤは一瞬、言葉を失う。言うべき言葉を見失って、瞼を閉じた。 「あたしには、あなたを許す資格もないもの…。ひどいことばかり言って、醜いことばかりして、あなたを傷つけた…。 許すとか、許されるとか…、あたしにはよく分からないけれど、一つだけ、私はあなたに誓えることがある…」 そう言ってマヤはゆっくりと、真澄の背から離れると、その正面へと向かう。俯く真澄の頭を、恐る恐る、けれどもそうしなければいけない、というある種の信念を持って、胸に抱きしめる。 「あなたを…、愛してます…」 真澄の胸の奥で、薄いガラスが弾けるような音がする。 自分はひどく餓えていた…。 誰かに許されることを…。こんな生き方しかできない自分を誰かに許されることを…。 そして、誰かに愛されることを…。 目頭からふいに溢れ出てしまったものが引くのを、しばらくマヤの胸の中で待ってから、真澄はゆっくりと顔を上げる。少し困ったような、けれどもとても優しい微笑みがそこにはあった。 自分が生涯をかけて守るべきそのかけがえのない笑顔を、瞳に焼き付けるように、真澄はマヤを見つめる。言葉もなく、ゆっくりと手を伸ばし、頬に掛かった髪を掻き分けるように触れる。心の中の餓えた隙間に、ゆっくりと暖かいものが流れ込み、愛されることへの戸惑いの波が引いていくのを感じる。 瞬間、真澄は強引なほどの力強さと素早さでマヤのその細い腰を抱き寄せた。都合、マヤは体制を崩し、あえなく真澄の膝に横座りする格好となる。慌てて体制を立て直そうと、真澄の胸に手を付き、その表情を見上げた瞬間、離れることがとても不自然なように思え、マヤの体から力が抜ける。 引力が引き合うようなキス…。 完全なようでいて、不完全なそれは、激しいものではなかったけれど、離れることを拒むようなキスだった。 腰に回された片方の手も、後頭部に回され髪を掴むもう片方の手も、確かに熱を帯びたものだったけれど、欲情や激情とは程遠い、何かを確認するような慎重さをマヤは感じていた。 唇が離れたあとも、二人は顔もあげずに、お互いの唇だけを見つめつづける。お互いがそこへ今、確かにつけた印を確認するかのように…。 「…ありがとう…」 愛しているの代わりに出たその言葉に、真澄の口角が自然と上がる。つられて、マヤも口角を上げると、同じように呟く。 「いえ…、こちらこそ、ありがとう…です」 額を付き合わせたまま二人は笑う。声には出さないけれど、生涯でもっとも穏やかで幸せな笑いが二人を包む…。 ゴホンッ…。 眠っていると思われた英介のその咳き込むような音に、マヤは飛び上がる。あわてて、真澄の膝から飛び降りベッドの方を振り返ると、むっすりと決まり悪そうに、いかにも目のやり場に困っているという風に、英介が目を開けていた。 「仲がよろしいのは結構だが、場所を選べと言いたいな…」 不機嫌を滲ませて吐いた台詞だが、赤らんだ頬がその威厳を少なからず邪魔していた。 「あ、あ、あ、あの…、す、すみませんっ!!あの…、お目覚めになったようで、何よりで、あの…」 マヤは真澄が見ていられないほどに真っ赤になると、あとはもうしどろもどろで目も当てられないほどだった。 「ふんっ…。舞台の上では何をやっても堂々としてるようじゃが、降りてしまえばそのザマか…」 ひどく意地悪な台詞ではあったが、マヤはそれに対して不快感を感じられなかった。 「毒舌なのは結構ですが、あまりこの子をいじめないで欲しいですね、お養父さん。彼女は僕の大切な恋人なんですから」 臆面もなくそう言いきった真澄に、マヤは先ほど以上に真っ赤になる。 「ふん…、まだ恋人どまりなわけか…。わしの知らぬ間にさっさと籍ぐらい入れているかと思っていたわ」 「そうしたいのは山々なのですが、こちらの天女さまは中々それを承諾してくださらなくってね…」 そう言って真澄が悪戯っぽい挑戦的な視線でこちらを見るのでマヤはいよいよ、慌ててしまう。 「え…、あの…その…、違うんです…って。違わないんですけど…、でも違う…かも…」 もう何がなんだか訳がわからなくなる。大体、もしもいつか真澄の恋人として英介を向き合うことが許される日が来たら、とマヤが思い描いていた絵は全く違うものであった。こんな唐突にマズイ所をしっかり現行犯で見られ、返す言葉もない。どうやって、取り繕おうかと必死で考えていた瞬間、マヤは思い当たる。 こんなことをしている場合ではないのだ。 元気な素振りをしているが、英介はどうにか一命を取り留めたような状況ではないか。 真澄も真澄である。しなければいけないのはこんな下らない話ではないはずだ。 「あ…、あのっ!」 二人の視線がマヤに注がれる。 「とても…心配しました。速水さんもあたしも、とても心配しました…。 でも…、良かったです…。こうしてまたお会いできて、本当に良かった…」 英介は驚いたように、急に棒立ちなったマヤを見つめる。 「早く、お元気になって、私の紅天女、見に来てください。大都劇場で今年も上演するので、見に来てください。来年もその次の年も、ずっとずっと大都で上演するので、見に来てください…」 それだけ言うと、マヤは深々と頭を下げた。英介は返事も出来ずにただその様子を呆然と見つめていた。 「…マヤ…」 そう言って真澄の指がそっとその小さな体に触れようとした瞬間、マヤは顔を上げる。 「えっと…、あたし、明日もお仕事、朝早いのでこれで失礼します。あの…ご迷惑じゃなかったら、またお見舞いも来させてください…」 そう言って、あとはあなたの番ですよ、というような目で真澄を見ると、くるりと背を向けた。ただ、すれ違う時に、そんなマヤの態度を見透かしたように、素早く一瞬だけ、真澄の指が絡められる。ほんの些細な肌のふれあいがとてつもないほどの威力を発揮する瞬間…。 大丈夫…。きっと、大丈夫…。 無条件に、強力に、そう信じさせてくれる、そういう力をマヤは初めて知る。 (愛の力…?) 自分の胸だけで思ったことなのに、あまりにくさいその言葉に、マヤは勝手に照れてしまった。 慌しくマヤが去ったあとには、どこかぎくしゃくした空気だけが取り残される。普通は病人が昏睡状態から覚めたら、かけるべき言葉があるはずなのだが、すでに雑談を交わしたあとで、それは今さらのようにも真澄には思え、言葉を探す。 「不思議な娘だな…。計算したところが一つもないのに、不思議な魅力に満ち溢れている…。計算づくで生きているお前には丁度いいのかもしれんな…」 先に口を開いたのは英介だった。そしてその言葉に真澄は驚く。 「夢を見た…。お前とあの娘が幸せにやってる夢だった。きっと、もう見ることはないから、そんな夢を見たのだと思っていた…。 お前にとっては残念だが、どうやら生き延びてしまったようじゃな」 「残念などとは思っていませんよ…」 真澄は静かにそう言うと、大きく一度息を吐く。体の中身を入れ替えるように…。 「あなたには、まだまだ見て欲しいものが沢山ありますから…。長く生きて頂かないと、私も困ります…」 今まで似たような台詞を真澄がこの養父に対して吐けば、それは全く違う温度を持った、違う意味のものとなっていた。けれども、今はただ額面通りにそれらは響き、英介にも伝わる。 「わしはお前に何一つ、親らしいことをしてやれなかった…。 ただ…、最後に一つだけ何か出来るとすれば、わしが築いてきたもの全てをお前にやるつもりだ…。 お前しか…、いないだろう…」 それだけのことを言うのに、一体どれだけの時間がかかったのだろう。大仕事を終えたように、英介は大きく安堵の息を突くと、ゆっくりと瞼を閉じた。威厳を保とうといくらか試みてはみたが、昏睡から覚めたばかりの肉体は、急速に体力を奪われ、そして再び深い眠りへと誘いこまれる。 「ゆっくり、お休みになってください…」 真澄はそれだけ言うと、静かに病室を後にした。 一週間後、速水英介の退任、及び速水真澄の大都グループ総帥への就任が発表された。 ![]() 就任後、記者発表やら挨拶回りの雑務に追われ、殺人的なスケジュールをこなす真澄の携帯が鳴る。そう言えば、あまりの忙しさに、あの夜以来ろくに連絡もとっていなかった。ディスプレーの発信者の名前を見て、真澄は少し狼狽した。 「もしもし、今、大きな桜の木の下にいるんです…」 怒ってるわけではないようだ…。 昼間のこんな時間にマヤから電話がかかってくるのは珍しく、真澄は一瞬訝しく思う。 「あんまりお天気がよくて、気持ちいいから、今日は外からかけてみました…。 速水さん、桜が満開なんです」 見上げた桜の木々の間から、ヒラヒラと白い欠片が舞い降りる。雪のように儚げで、けれども雪よりもずっと暖かい色見を帯びたそれを、マヤは手のひらで受け止める。 「桜の花があんまり綺麗だから、速水さんの声が聞きたくなりました。綺麗なものを見たり、何かに感動すると、あたし、真っ先に速水さんに知らせたくなるんです…」 真澄はマヤのその子どものような無邪気さと、そしてその愛情に電話越しに思わず微笑む。 電話の向こうで、マヤが一度大きく深呼吸をしたのが聞こえた。 「速水さん…、他には何もいらないから、毎年私のとなりで桜を見てください。 他には何も言わなくていいから、『綺麗だね』と笑ってください」 真澄は一瞬、言葉を失う。どう答えたらいいのか、自分が口に出そうとするその答えは、間違ったものではないのか…。鼓動が早くなる。 「速水さん、私の言ってる意味、分かりますか?」 心臓がドクリと音を立てた。けれども、自然と顔の筋肉をほころばせるその笑みを、止めることは出来なくて…。 「それは、プロポーズか?」 「…そうですよっ!」 弾けるようなその声に、真澄は電話ごと世界中を抱きしめたくなる。その、信じられないほどの幸せを世界中に叫びたくなる。 「答えはYESしか、ないだろうな」 真澄の声が受話器の向こうで、なんの迷いもなく発せられた瞬間、辺り一面に吹雪が舞う。しろい、小さな無数の桜の花びらが…。目に見えないはずの風の動きが、花びらによって渦を巻く。1mgの重さもないようなその儚い一枚一枚の白い欠片が波となって、心地よく辺りの空気を掻き回す。 笑った拍子に口に飛び込んできた、一枚のその花びらを人差し指でそっと取り出しながらマヤは思う。 散った桜が必ず毎年、再び花を咲かせるように、私は何度もあなたに恋をする。 桜の花が咲くころに、私はあなたに恋をする…。 4.10.2003 <FIN> ![]() 杏子も大好きだった「手のひらで融けた雪」の続編、お楽しみいただけたでしょうか。最後まで読んでいただければお分かりかと思いますが、本編では触れていなかったいわゆる『プロポーズ話』が杏子は書きたかったのです。プロポーズと言えば、 『結婚してくれ』 『…はい…』(節目がち) が王道ですが、今回はマヤちゃんの方から、というシチュでどうしても書きたくて、このラストシーンは最初から頭にあったものでした。ほんと、これだけを書きたくて書いてたようなもんです。はい。 本編では春さんをめぐる、二人の心の隙間にも触れていなかったので、こちらの続編で解決するつもりでした。そして、シオリのその後&Aスケと速水さんの確執、そして後継者問題、とまぁ、問題は山済みだったのですが、必死に解決させました。 公約で『桜の花の咲くころに出します!』とのたまっていただけに、ちゃんと散ってしまう前に、お目にかかれてホッとしております。 『色々あったけれど、結婚します!』 と、マヤちゃんが胸を張って言えた、そんなお話になっていれば、嬉しいです。 最後にいつものお願いですが、お楽しみいただけましたら、帰り道にポチっとしてくださいますと、杏子は泣いて喜びます。お読みくださってありがとうございました。 |
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