ただ……
written by 子リス
北島マヤは、紅天女の主演を決めてから天才女優としての地位を確立した。

今回そのマヤが、初めて映画に出演するということで大きな話題になっている「海の歌」の製作記者会見が行われた。  
その壇上には、主役のマヤはもちろん、相手役の中山洋介、監督の海老原幸一が座っている。  
そして、その記者会見場の隅からその様子を伺う、現在マヤが所属する事務所の大都芸能社長、速水真澄の姿があった。
 
マヤは紅天女が決定した翌日、大都芸能の所属になった。しかも、上演権まで真澄自身に譲ると言って聞かなかった。ある一部の間では、莫大な金が動いただとか、マヤが大都芸能に弱みを握られていたとかさまざまな憶測を呼んだが、未だに本当のことを知るものは少ない。


「それでは皆さん、北島さんへの質問をどうぞ」

司会者の言葉で記者会見が始まった。
「はい。週刊未来の横山です。今回の映画の出演を決められた理由についてお聞かせください。」
 そのありきたりな質問に、マヤは緊張した面持ちでマイクに向かってしゃべり始めた
「えーと、今回お話をいただいて、映画っていうことで少し迷ったんですね。私初めてだし・・・。でも脚本を読んで、漁村で展開される、芸者と、旅行で立ち寄った青年の淡い恋に、絶対素敵な作品になるって直感したんです。それでやってみようと思いました。」  
 マヤは最初の質問に臆することなく答えた。そのしっかりしたマヤの声に会場の誰もが驚いていた。
北島マヤと言えば、舞台を降りれば大根役者と呼ばれるほど、この手の会見にはいつもおどおどしていて記者泣かせで有名だった。しかし、今日のマヤは違っていた。幼い顔立ちは変わらないが、どことなく大人の雰囲気を漂わせ、余裕さえも感じる、女優・北島マヤだった。

そして今日のマヤに一番驚いているのは他でもない真澄だった。

(チビちゃん何があったんだ・・・)

 そんな真澄や、周囲の驚きは司会者の声にかき消された。
「それでは、次の質問を・・・」

「はい」  

 挙がった手に真澄は思わず舌打ちをした。それはいわゆる悪質な芸能ネタ専門の週刊誌だった。

(何であいつらが・・・。未然に防げなかったのか!何が質問されるのかわからんぞ)

 そう思っていても今の真澄にはどうしてやることもできない。週刊誌の質問をやめさせるのは簡単だが、所属事務所の社長がしゃしゃり出て、せっかくのマヤの初主演の映画を台無しにしたくないという気持ちの方が強かった。

  質問の内容は、案の定真澄が心配したとおりマヤの恋愛に関する質問だった。

「北島さん、今回の映画はもちろん恋愛ものですよね。恋人がいらっしゃった方が演技も本物になるんじゃないですか?ところで北島さん、恋人なんていらっしゃるんですかねえ」

 その記者のあからさまな質問に周囲がどよめいた。司会者が慌てて質問を止めようとしたが、その司会者の行動を遮るようにマヤがあくまでも冷静に答えていた。

「いいえ、いませんよ」

 記者は、マヤが返答したことをいいことに質問を続けた。

「桜小路さんとお噂もありましたよね」

 その質問に真澄は思わず声を上げそうになった。

(もうやめてくれ!)
 なおも質問を続ける記者にたまりかねたように真澄が飛び出そうとしたその時

「彼とはいいお友達です。もう古くからの友人です」

 そう言ってマヤは微笑んだ。周囲が驚くほどのマヤの余裕ある受け答えに、記者はそれ以上質問を続けなかった。
 質問が続けられなかったことにほっとした真澄だが、心がチクリと痛んだ。マヤの微笑がひどく大人びて見えて、真澄を不安にさるのだ。

マヤが紅天女を獲得したとき、もう自分の役目は終わったと思った。もう紫の薔薇はいらないと。
しかし、どうしてもマヤから離れられない自分がいた。マヤがこれから先、この世界で歩いて行く為になんとか守ってやれないかと。そんな矢先にマヤから腕に飛び込んできた。またマヤを守ってやれる。そう思うと心が震えずにはいられなかった。しかし、今のマヤはどうだ?俺の腕の中にいるものとばかり思っていたのに。彼女は飛び立ってしまったのだろうか?
(マヤ・・・)

「それでは、これで記者会見を終わりたいと思います」

 司会者の言葉にハッと我に返った真澄は、何かにかられる様に急いで会場を後にした。






 記者会見が終わったマヤは控え室で一人ボーっとしていた。なれない記者会見と極度の緊張で疲れ切っていた。  マヤはボーっとしながらも鏡の自分に向かって問いかけるようにつぶやいた
「ちゃんとできたよね。ちゃんと大人っぽくなれたよね」
 どう見ても鏡の中の自分はいつまでたっても子供のままのマヤだった。

“はあ〜。だめかなあ・・・”

ため息つきながら自身を無くしかけていたところに、突然部屋をノックする音が聞こえた。

“トントン”

「どうぞ」

 部屋のドアが開けられ、マヤが鏡越しに見た人物は今もっとも会いたくない人、そして心から愛しいと思える人だった。

「速水さん・・・」

 真澄は、驚いて椅子から立ちあがったマヤを愛しそうに見つめていた。そして抱きしめそうになる衝動に駆られたが、寸前のところでとどまり、いつものポーカーフェースを決め込んだ。

「記者会見ご苦労だった」

 真澄の事務的な挨拶に、マヤも自分の心を隠し、ありったけの力を振り絞って大人びた挨拶をした。

「ええ、ありがとうございます」

 真澄は自分の知らないマヤに愕然となった。
いつまでも自分の手の中にいると思っていたマヤが急にどこかに行ってしまったような、いいようもない寂しさにとらわれていた。

(やはり彼女は・・・)

そんな寂しさを紛らわすように、真澄はいつものからかい口調でマヤを食事に誘った。

「チビちゃん、これから夕食でも食わないか?」

「あっ・・・」

 マヤは真澄の言う“チビちゃん”という響きがあまりにも心地よく、それに身をゆだねていた。

(なんて気持ちいいんだろ・・・)

そんな思いにマヤが一人ポーッとなっていると、あまりにも返事の無いマヤが心配になったのか真澄がマヤを覗き込んで言った。

「チビちゃん?」

“ハッ!”
 
そのやさしい笑顔にマヤは思わず我を忘れそうになった。しかし、これではいけないと心の中の危険信号がなりだした。

「あっあっ、いいですよ。でもお店は私が決めていいですか?」

 慌てて答えたマヤの提案に少し驚いた真澄だが、マヤうれしい行動についつい顔がほころぶ。

「もちろんOKだ」



「速水さんにとって、私っていつまでたっても子供なんですね」

 店に行く道すがらマヤが突然言い出した。真澄はマヤの言った意図がわからず聞き返した。

「何言ってるんだ?」

「だって、さっきチビちゃんって・・・」

 真澄は「あっ」と声を漏らした。あの時マヤがひどく大人びて見えて、自分の腕から飛び出していく不安に、思わずチビちゃんと言ってしまった自分に気付いた。

「ああ、すまない。これからは・・・」

 そんな真澄の言葉は、マヤの言葉で遮られた。

「いいんです!チビちゃんって言うの速水さんだけだから・・・」

 真澄は、そう言って赤くなってうつむくマヤがたまらなく愛しかった。ずっとこの気持ちを隠して生きるんだろうか?真澄は自分がしたことを後悔した。なぜ、あの時言わなかったのだろうか?なぜ俺は別の女性と暮らしているのだろうか?もう遅いのだろうか?

 そんなことを思っていると突然マヤが

「ここです」
 と店を指した。

 そこは、「響き屋」と書かれた、小料理屋とでもいうのだろうか。小さな店構えの少しレトロな日本風の作りの店だった。

「へえ。チビちゃんがこんな店知ってるとはねえ」

 真澄のからかい口調に思わずムッとなってマヤは答えた。

「それってどういう意味ですか?」

「俺はてっきりファミレスかと思っていた」
「ひどーい!!」

「くっ!あーはっは」

 頬を膨らましてそっぽを向くマヤに真澄は思わず大声で笑ってしまった。

「もう、速水さんてば」  

真澄はますます頬を膨らますマヤに、さっきまでの不安が吹きとんでいた。

(さっきのは俺の思い過ごしだったな。マヤはいつまででもマヤのまんまだ)

 そして、こんな関係がいつまででも続けばいいと思っていた。願わくばもっとそばにいて・・・。
 そこへ店の中から着物の上から割烹着を着た女性が出てきた。

「あっマヤさん」

「あっ小夜さん。ごめんなさいこんなとこで」

 真澄は、その格好から見てどうやらこの店の女将であろうと推察した。

「あら、今日はお一人じゃないのね。こんな素敵な男性を連れて・・・」

 小夜は真澄に向かって微笑んだ。その笑顔は初めて会った人間でも安心させるようなやわらかな微笑みだった。

「ちっちがいますよ」

 慌ててマヤが首を大きく横に振った。そんな様子のマヤに小夜が微笑みながら言った

「立ち話もなんですから。さっ中へどうぞ」







 店の中は決して新しくないが、丁重に磨かれた清潔感のする感じだった。それでいて堅苦しくなく、安らげる。女主人の人柄を感じされるものだった。

「自己紹介がまだでしたね。私こちらの主の小夜と申します」

 小夜が真澄に改めて自己紹介をした。

「速水といいます。彼女の所属事務所の社長です。決して変な関係じゃないですよ」

「ええ、わかってますよ」

 そう言ってくすっと笑った小夜の様子に、真澄は余計な事を言ってしまったことを少し後悔した。小夜の口調に、なぜか自分の心を見透かされたようなそんな気がしていた。






「どうでした、おいしかったでしょ?」

 店を出てからの帰り道、マヤは“どうだ!”と言わんばかりに自身たっぷりな様子で尋ねた。

 その日、出されたものは真澄にとって懐かしい味というものばかりだった。
ジャガイモの煮っ転がし、玉子焼き、きゅうりの酢の物、などなど。思わず夢中になって全て平らげしまった。
 マヤを送くりながら、“あれはうまかった”とか“これがまた食べたい”など、夢中になって話す真澄を見て、マヤは思わず

「速水さん、子供みたいですよ」と、言ってしまった。

「なっ!」

 真澄はマヤの言葉に、柄にもなく赤くなっている自分を持て余し、慌てて話題を変えた。

「ええっと。あ、あの店にはよく行くのか?」

「ん?ええ、おいしいし、小夜さん素敵でしょ」

「ああ、あの女将な。うん、素敵な人だったな」

「なんか、お姉さんっていうか、お母さんっていうか・・・」

 “お母さん・・・”

その言葉に真澄の胸はキリリと痛んだ。言いようのない罪悪感が真澄を支配していた。何年たってもこの気持ちは拭い去れない。いや忘れてはいけない。それがマヤの母親を死に追いやった自分の罪への代償!こんなマヤをどうやって守っていったらいい。どうやったら彼女が幸せになるのか・・・。いや俺が彼女と幸せになりたいんだろうな・・・。

 真澄は罪悪感を持ちながら、マヤと共に生きる幸せを夢見ている自分を殴ってやりたい気持ちになった。  それが真澄を無言にさせたのか、急に無口になった真澄の様子を不安に思ったマヤが真澄を覗き込んで言った。

「速水さん?」

「えっ・・・」

 マヤの呼びかけに急に現実に引き戻された真澄は、思わずじっとマヤを見つめた。

 真澄と目があったマヤは安心したのか、微笑んでもう一度真澄の名を呼んだ。

「速水さん大丈夫ですか?」

  その瞬間、真澄はマヤの存在が愛しすぎて思わずマヤを抱きしめていた。

「はっ速水さん!!」

 真澄はマヤが腕の中で震えているのを感じた。そして、自分でもどうしようもないほどマヤを愛している自分を哀れんだ。

(もう限界だ!)

 真澄は我を忘れてマヤを抱きしめ自分の思いを伝えた

「マヤ、俺は君を・・・。君をずっと見てきた。これからもその気持ちが変わることはない・・・。マヤ、君を愛している」

 その思わぬ行動にしばらく真澄の腕の中で何も言わず震えていたマヤだが、突然腕の中で暴れたと思ったら、強引に真澄の腕から逃れるように突き飛ばした。

「マヤ!?」

 真澄を見つめるマヤの目からは、次々と涙がこぼれていった。マヤはひどくおこった様子で真澄を見つめ続けていたが、真澄がマヤに近づこうとした瞬間、後ずさりしながら言った。

「どうして!」

「えっ!?」

「どうしてそういうこと言うの?私はちゃんと諦めようと思ってた。速水さんに迷惑かからないように大人になろうと思ってた。それなのに速水さんずるい!いつも余裕たっぷりで、私をこんなに好きにさせて。その上そんなこと言われたら私どうしていいかわかんない!」

 真澄はマヤの言葉に頭を殴られたような気持ちがした。

(マヤが俺を・・・!?ああ、俺はなんて馬鹿な男だ!こんなにも愛しい人を傷つけて、泣かせて・・・)

「マヤ!」

 真澄の言葉が引き金になったのか、マヤは夢中で走り出した。慌ててマヤを追いかけ彼女の腕を掴んだ真澄だが、無情にもその手は振り払われた。

「こないで!!」

 そう言って駆け出したマヤを、真澄は再び追いかけることができなかった。マヤに振り払われた手を見つめ、自分のした愚かな行為になすすべもなく立ち尽くした。


 マヤはどこをどう走って来たのか、気がついたら「響き屋」の前にいた。丁度そこに、店仕舞いをするために暖簾を下げに来た小夜が出てきた。

「マヤさん?」

 目を真っ赤に腫らしたマヤを見つめた小夜は、何も言わずマヤの背中をさすり店へと導いた。

「さっ座って。お茶入れましょうね。お茶は気持ちを落ち着けるのよ」

 二人は小夜が入れたお茶を見つめながら、お互い言葉を交わすこともなく時をすごした。しかし、しばらくすると、マヤが何か決心したように小夜に尋ねてきた。

「小夜さんて好きな人いる?」

 小夜はマヤの質問に何のためらいもなく答えた。

「ええ」

「・・・それって幸せな関係なの?」

「どうかしらね。世間様じゃ、悲しい関係って言うかしらね」

「えっ?」

その言葉にマヤは思わず小夜を見上げた。

「あの、その好きな人って・・・ちゃんと生きてる?」

「もちろんよ」

「じゃあどうして!」

「私だけのものじゃないから・・・」

マヤはハッとしてうつむいてしまった。

(それって不倫・・・)

この質問はマヤには出来なかった。あまりにも自分に似ているから。

「でも、私は幸せ」

「えっ!?」

「だから、幸せなのよって」

「なんで、そんな風に言えるの!!」

 マヤは少し声を荒げた。どうしても信じられなかった。今の自分は不幸すぎる・・・。

「だって、好きな人と一緒にいれるのよ」

 小夜は何でもないと言わんばかりに微笑んだ。
マヤはその笑顔に目を細めた。眩しいと思った。だが、マヤにはわからなかった。好きな人と一緒にいれる。ただそれだけ?

「小夜さんアタシどうしたらいいんだろう」

マヤはカウンターにうつ伏して肩を震わせていた。

「マヤさん・・・」

そんなマヤを見つめながら小夜が語りだした。

「人ってそれぞれ考えがあって当然よね。だから面白いの。人の意見って大切だしね。でもね、時には自分がどう思っているかって少し頑固なくらいに押し通してもいいことがあると思うの。たとえそれが人を傷つける結果になっても、だって自分を守れないなんて自分がちょっとかわいそうだと思わない?
人って弱いからくじけちゃうことっていっぱいあるけど、ここ一番ってときに、火事場の馬鹿力っていうじゃない。そういうものが出せるように神様って創ってくれてると思うのよね。マヤさん、自分を大切にして。曲げていい心と、曲げちゃいけない心ってあると思うわ」

 目を真っ赤にしたマヤが小夜を見上げて言った。

「でもどうやって見分けるの?」

「自分の心は何て言ってるの?ほらっ胸に手をあててよぉく考えてみて」

 小夜の言葉に、マヤはしばらく自分の胸に手を当てて考えた。自分の心に聞いていた。

「好きって・・・。どうしようもないくらい好きって言ってる!」

「そう、じゃあそれがあなたの心ね」

「でも、でも、人を傷つけるわ」

「それって、人を傷つけることがいやなんじゃなくて、自分が傷つくことが怖いんじゃないの?」  

マヤは、小夜の言葉が痛かった。何も言えずにカウンターを見つめ続けているマヤに、小夜は母親が言い聞かせるように言った。

「大丈夫。それくらいじゃ人間死にはしないわよ」

「小夜さん・・・」  
小夜さんが優しいのは自分がいっぱい傷ついてきたからだ。でも傷ついてもなお愛する人の側にいたいっていう強い気持ちがあるからだ。私はどうだろう。私は・・・。


外にはいつのまにか降り出した雨が音を立てて響いていた。






 店を出たマヤは一人公園のブランコに座っていた。

 前にもこんなことあったな。私が稽古場飛び出して、雨に打たれて。そんで、速水さんが私を見つけてくれて。あっでも今日は小夜さんから借りた赤い傘があるわね。

でも、でも・・・

「速水さん会いたいよぅ。今すぐに会いたい!」

 マヤは涙が止め処もなくあふれ、声を上げて泣いた。

“ザッザッ”

 泣き崩れ、地面を見つめるマヤの目に男物の靴がゆっくり近づいてきた。マヤにはその人物が誰だかすぐにわかった。ここに私を迎えにきてくる人は一人しかいない。

 マヤが見上げた先には、全身ずぶ濡れになった真澄がいた。真澄もまた、マヤに拒絶されながらもどうしても離れられずに、マヤを求めてやってきたのだ。

「速水さん!!」

マヤは真澄の顔を見たとたん、傘を投げ捨て真澄の腕の中に飛び込んでいった。真澄はマヤをきつく抱きしめると、マヤの名を何度も呼んだ。

「どうして?どうしてここにいるの!?」

「チビちゃんのことなら何でも知っている」

 マヤはそう言って微笑む真澄の笑顔、自分を“チビちゃん”という声、全身で感じる温もり、何もかもがどうしようなく愛しかった。この気持ちは神様だってわかりはしない。

 真澄は、自分の腕の中で泣きじゃくるマヤの温もりを感じながら、不思議と冷静に考えるもう一人の自分に語りかけた。

(きっとこれ以上幸せなことはおそらく一生ないんだろうな)

(あたりまえだろ。こんなこと一生に何度もあったらおかしくなるさっ!!)

そしてマヤを少し解放すると、頬を両手で包みやさしくキスをした。驚いて大きな目をさらに大きくしたマヤに微笑むと、再び強く抱きしめた。そしてマヤもそれに答えるように回した腕に力を込めた。

  そして、お互いに温もりを感じながら同じことを思っていた。

この先はわからない。今はただ、愛しきものを胸に抱いていたいだけと・・・。






2003.08.10



<FIN>














□子リスさんより□
 この二人ってとにかく障害があってなかなか自分に正直になれないでいるでしょ。 ただ、それってどうなんだろうって思うことがあります。
人を傷つけちゃう正直っていけないのかな?自分が正直になることで人は本当に 傷ついちゃうのかな?自分も人も幸せにする正直って何かな?
なんてことを考えながら書いてみました。
それが、ここに書けているとは到底思えないんですけど、 これは永遠のなぞですかね。 








□杏子より□
どうなっちゃうのぉぉぉ〜〜!な切なさ満載のお話でしたね。
小料理屋の小夜さんとの会話が胸に残りました。そんな意味で、小料理屋チックの壁紙で。
速水さんではなくて、マヤちゃんがそんなお店へ連れて行くということに、あぁマヤちゃんも大人になったのね、なんて感慨深くなってしまったり。
ラストはがっつり、抱きとめて頂きました。やっぱ、こうじゃなくっちゃね〜!
小リスさん、ご多忙の中、イラストにお話に、ありがとうございました!!





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